モテ男と勤勉オンナの【秘】ラブ・ゲーム
あたしは、北城君の顔をきょとんと見つめた


女の子には誰にでも優しいと思っていたから、かなり驚いた


一緒に帰ろうと言う女子に向かって、そんな冷たい口調で言うなんて信じられなくて


「行こ、センパイ」と、ぐいっと手を引っ張られたあたしは、驚きの表情のまま…椎名君とその彼女にぺこっと頭をさげた


「ほ…北城君、いいの?」


「は? 南センパイは一緒に帰りたかったの?」


「え? 一緒に帰りたくなかったけど…」


「ならいいじゃん。これで」


「まあ、そうなんだけど」


北城君はあたしと手を繋いだまま、塾を後にした


「でも…なんかちょっと驚いたっていうか…」


「驚く? どうして?」


「あの子…たぶん、北城君に好意を抱いていたと思うんだけど」


「彼氏いんのに?」


「ああ、うん…たぶん」


「興味ないね。ああいう女。賭けの対象になっていれば、別だけど。俺、そういうのに…今は興味ないから」


「そ、そうなんだ」

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