地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
その時。

───カサッ……。

前の席に座っていたひとりの男の子が、ルーズリーフに何か書いて渡してきた。


「えっ?」

目をパチクリとさせる。

な、なに?


とりあえず、渡されたルーズリーフに目を通してみた。


書かれていたことは──………。

『講義の内容でわからないとこがあるから、隣に座って聞いてもいい?』というもの。


困ってる人は助けなきゃね。


『いいですよ』

そうルーズリーフに書き加えて、前の席の彼に返した。



「よっしゃ!」

あたしからの返事を見た途端、小さくそんな声を上げる。

そんなに嬉しいかな?



彼は教授の見ていない隙に、あたしの隣へやって来た。

肘が当たるくらいに近い距離。
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