地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
陸の手を掴んで、とっさに動きを止めさせる。


「はァ? 杏?」

「め、メガネ取っちゃダメ」


自分の行動を遮られたため不機嫌になった陸さん。

ちょっぴり睨まれてます。


「なんで? どうせダテだろ? 視力良いじゃねぇか」

「視力は良いんだけど……じいちゃんが……」

「御祖父様が?」



顔を傾げる陸に、昨日家であったことを説明する。



──昨夜。

あたしは、じいちゃんに部屋へ呼ばれた。

数日前の夜も、呼び出されて……お説教をたっぷりと受けた。

────術を使って、人間……橘くんに害を与えたから。



この時までは、仕事の依頼かな?とかくらいにしか考えてなかった。



しかし───……。



「術を使った罰として、このメガネをかけなさい」



部屋へ着いた途端、そう言われたんだ。
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