地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
わからないとこを教えるんだから、このくらいの距離普通だよね。

特に気にすることもなく、数十センチ先にある彼の顔を見つめた。

八重歯がチャームポイントの爽やかな人。

モテる組に入ると思う。



「えっと、俺、橘修平(たちばなしゅうへい)。よろしくね」


ちょっと赤くなってる顔。

教室暑いかな?

普通だと思うんだけど。


「橘くんね。あたし、神崎杏樹。よろしくね」


お互いに名前を教えて、最後にニコッと微笑んだ。


「あ……うん……っ……あ、杏樹ちゃんって呼んでも良いかな?」


さらに赤くなる橘くん。

どうしたんだろ……?


「全然良いよ」

まぁ、気にしなくてもいっか。


「それで、ここのところがよくわからないんだけど……」

「フムフム……」


尋ねられたところを、あたしがわかる範囲で教えてあげた。
< 13 / 622 >

この作品をシェア

pagetop