地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
その瞬間───……。


──ガバッ!!


「ぅわ……ッ」


名前を呼んだのは、陸だけなのに……教室にいた全員に注目される。

声……大きすぎた?

全員に注目されて、ちょっと恥ずかしい。


「どうしたの?」


ソワソワしていると、あたしを見つめていた陸に問い掛けられた。


「あっ……呼ばれてるよ」


そう言って、目線を教室の入り口に向ける。


「あなたが滝本くん?」

「はい。何でしょうか?」


女性に気付いた陸は、女の子達から離れ……少し彼女と話すと教室を出て行った。


出て行く者は、いいが……残ったあたしは……未だに注目の的。


「早く……帰ろう……!」


ジロジロと見られてるのは、ちょっとキツイ。


バックを肩にかけると、繭ちゃんの手を引いて急いで教室を後にした。
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