地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
振り返って驚く。


「零ちゃん!」


パタパタとあたしのところまで駆け寄って来たのは、経済学部一年のマドンナ的存在。

スラリと高い身長に、長い手足。

私服でも、フツーにモデルさんみたいなんだ。


「杏樹、今夜ヒマ?」

「うん、まぁ……」


問い掛けられて、素直に返す。

何かあるのかな……?

そう思っていたら。


「一緒に、ご飯食べに行かない?」


突然誘われた。


零ちゃんとご飯?

う〜ん……行きたいけど、繭ちゃんも良いかな?


そのことを聞くと、快く承諾してくれた。


ちょっと早いけど、そのまま零ちゃんと一緒にご飯食べるところへ行くことに。

そうして、着いたところは……。


『カラス天狗』という居酒屋だった。
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