地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
建物自体は、日本家屋ですっごく風情がある。

お店の入り口には、『カラス天狗』の名前通り……小さな天狗の模型があった。


「杏樹、入るよ!」

「う、うん」


零ちゃんに連れられて、お店の中に入る。

扉を開けると、石畳の廊下が続いてて奥からは賑やかな声が聞こえて来た。


居酒屋ってなっているけど、個室にわけられてる。

お店が日本家屋だからなのか、着物を着た店員さんに案内されてある一室へ向かった。

その途中……。


「あとふたり来てるから」

「へっ!?」


ほかに誰かいるの!?


零ちゃんの発言に、驚いたのもつかの間……。


「お客様、こちらですよ」


店員さんが、仕切られた障子を静かに開ける。



……あれま。


中にいた人達に驚いて、多少目を見開いた。
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