地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー

「「あ、あ、杏樹ちゃん!?どういうこと!?」」

「アハハ……」


案の定……まいちゃん達が食いついて来た。

質問がキレイにハモってるし。

目の前に現れた大学の王子様に、よほどビックリしたみたい。

あたしと陸の顔を交互に見てる。

すると。


「あれ……繭は寝てるの?」

「あ、うん」


陸が、繭ちゃんの顔を見た。

眠ってることがわかると、あたしのすぐ隣に来て腕を広げる。

陸が代わりに抱き抱えてくれるらしい。


「お願い」

「あぁ」


そう言って、繭ちゃんを陸に渡した。

男の人だからか、片手で軽々と抱っこしてる……。

繭ちゃんは、起きることもなく、スヤスヤと陸の胸で眠ってた。


フゥー…………。

もうカミングアウトしますか。

隠す必要はない。

ニヤニヤと笑ってる零ちゃんをおいて、ふたりに向き直る。


「まいちゃん、里子ちゃん紹介するね。この人が彼氏です」


陸の服を少し引っ張り、ニコッと笑って告げた。
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