地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
午後からの講義は、まいちゃん達も受けるから……ノートを見せてもらおうかな。

陸をひとりで帰すのは、ちょっと心配。


「ね、帰ろう?」


胸に顔をうずめてる陸を少し引きはがして、顔を覗き込んだ。


「……帰らねーから」


〜〜〜このバカ殿様がァ!!

さっきより、絶対にキツそうだもん。

熱上がって来てるんじゃないの!?


「杏に抱き着いてれば、多少は回復すっから……」


そう言って、また抱き着いて来た。

谷間に、顔をくっつけて粗い呼吸をしてる。


「……あたしは氷枕でも、解熱剤でもないんだよ」


回復するなんて……そんなことありえない。


「十分……俺にとって杏は薬になる」

「もう〜〜〜……」


何を言っても聞く耳を持たない陸に、呆れてため息をこぼした。
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