地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
いやいや……まいちゃん。


「ラブラブ視線送りすぎだよぅ……そんなに好きなの!?」


違います……断じて。


「アハハ……」


苦笑いしか出来ない。


先週カミングアウトしたまいちゃん達とは、席も一緒に座り始めた。

あたし、零ちゃん。

上の席に、まいちゃんと里子ちゃん。

女の子4人で教室後方にいる。

多少おしゃべりしてても、周りには聞こえないんだ。


「まい、杏樹ちゃんをからかわないの」


乾いた笑いしか出来ないあたしに、里子ちゃんが助け舟を出してくれた。


陸を見てるのは、体調が悪いから。

いつ、ぶっ倒れるか……わからないし……。

心配してるこっちの気持ちも考えてよ……。



その時───……。



──ガンッ!


へっ!?


陸のいる方から、何かが落ちる音が聞こえた。
< 173 / 622 >

この作品をシェア

pagetop