地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
――杏樹Side――

自分の教科書類をバックに詰め込んで、騒がしい集団のところへ行く。


「陸、帰るよ」


その一言で、周りにいた女の子達全員があたしを見た。

当の陸は、なんだかボーッとしてるし。

ちゃんと、あたしだって、わかってる?

そう思って問い掛けた。


「聞いてる?」

「あ……あぁ……」


この受け応え……ヤバイかも。

熱上がって来てるかな。


陸の頬、額、首筋をペタペタと触って体温を確認する。


「……お昼休みより、格段に上がってる」


こんな風にムチャするからだ。



机の下に置かれたバックを取り出して、陸の荷物をすべて入れる。

ガサガサとやっていたら、四方八方からビシビシと視線を感じた。


すべて……陸を好きな女の子達から───……。
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