地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
†猛獣使い
「じゃあ……2時間程で終わりますから」
「はい。ありがとうございます」
「終わったら、ナースコールを押して下さい」
ニコッと微笑むんで、処置室から出て行く看護師さん。
ペコッと頭を下げて見送った。
「フゥー……やっと寝てくれた」
さっきの看護師さんが用意してくれたパイプイスに座って、ベッドで寝てる陸を眺める。
……正直疲れた。
あたしがいるのは、大学近くにある総合病院の内科処置室。
数台並んだベッドのひとつに、陸が点滴をしながら眠ってる。
あのあと……教室を出てからが大変だった。
フラフラした陸を引っ張って歩くのは、至難の業で……。
正門へ向かう途中にあった自販機で、スポーツ飲料を買って陸に飲ませた。
高い熱だろうから、脱水にだけはさせないようにと思って……。