地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
ありゃりゃ……。

注目されちゃってる。

まぁ……大企業のエントランスに、私服姿のあたしがいたら驚くよね。


うん、早く用件を済ませて帰ろう。


腕時計を見ると、陸の点滴が終わるまで、あと1時間くらい。

病院に帰った時に、ちょうど終わるかな?


そう考えながら、エントランス中央にある受付へ行く。

受付嬢っていうキレイなお姉さんが、ふたりいた。


「あの……」

「はい。何のご用でしょうか?」


うっ……なんだか警戒されてる。

お姉さん達の表情が硬い。

そりゃ……そうか。

大学生のあたしがいる方が、お姉さん達からしたら怪しいもんなぁ……。


「秘書課の北原さんに、ちょっとお会いしたいんですが……」


ちょっと残念な気分になりながらも、お姉さん達に話し掛けた。
< 185 / 622 >

この作品をシェア

pagetop