地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
病院に着いて、処置室へ向かう。

看護師さんのところに行くと、陸の点滴が終わったことを知らせてくれた。



「陸、少しは楽になった?」

カーテンを開けて、ベッドに座ってるヤツを見る。

「ん……杏……」

さっきよりは、楽になったみたい。

点滴をしてもらってよかったな。


「帰ろっか。タクシー呼んだから」

「……ん……」


ベッドのそばに置いていた陸のバックを持とうとした瞬間。


──カタン……


「えっ!?」

「杏……杏…………」

「ちょっ……陸!?」


ギュッと引き寄せられて、首筋に顔をうずめられた。

そのまま……首筋、肩、鎖骨に、口づけられる。

なにやってんの……このバカは!!


「杏……杏…………」

「バカッ……どこ触って……!」

スルリと陸の手が服の中に入って来た。


「……ッ……後悔してもしらないから!」


小さく呪文を唱える。

陸の体が、少しだけ痙攣を起こした。
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