地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
午後5時。


「杏樹様。本当に、何から何までありがとうございました。」

「いえいえッ、お礼を言われることはしてないですよ!」


頭を下げる岡本さんに、慌てて否定する。

あたしは、当然のことをやっただけなんだから。


「それで、陸様は……」

「点滴が効いたみたいで、部屋に入るなり……また寝ました」


岡本さんに返して、ちょっと微笑んだ。

そう……。

病院で点滴を受けて、薬をもらった後……陸の家に帰って来た。

処置室で、抱き着いて来たから、術を使ってやめさせたんだ。

大人しくなったところで、手を引いて連れて帰った。


部屋まで誘導して、着替えさせた後……またスヤスヤと陸は眠りについた。

今は、まだ熱が高いので、氷枕を作ったところなんだ。
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