地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
────あれから数時間が経過して……。

ただ今、深夜1時。


「陸……もう十分したでしょ?そろそろ離してよ」

「ん……ヤーダ」

「ハァァァ……」


陸に抱きしめられたベッドの中で……大きな、大きなため息をつく。


──カプッ……

また始まった……。


頬から耳、首筋から鎖骨……胸へ、甘噛みされる。

コイツは、飽きないのかね?

だって、もう何時間も同じことを繰り返してる……。


最初された時は、ご飯を作るという理由で一旦逃れられた。

でも……キッチンを借りて、お粥を作り、戻って来たら。

部屋の入り口の前で、「杏……」って淋しげな表情で、床に座って待ってた。

近づくと、すぐに抱きしめられたし……。


お粥を食べさせて、薬も飲ませたんだけど、あたしから少しも離れない。

べったりです。
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