地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
まだ熱も高いし、こんな状態だから帰れなくって、7時過ぎに自宅に連絡を入れた。

今夜は、陸のところに泊まるってね。

そして。

あとはこの大型犬が、早めに寝てくれることを願ってたけど……。


……いっこうに寝ない。

部屋の明かりも消して、もう寝れる状態なのに。

あたしの体中を甘噛みばっかりしてる。

もう服は、コイツに奪われちゃったし……。


「陸……もう寝ようよ。このままじゃ、風邪治らないよ?ね?寝よう??」

「……ヤーダ。寝ない」


ハァァァ……またダメか。

あたしの胸にうずめてる頭を優しく撫でて、さとすように言ってみたけど……言うことを聞かない。


──カプッ


「……ッッ……!!」


ピクリと体が反応してしまった。

……熱出してても、こういう行為は一人前なんだからっ。

呆れるというか、さすがというか。


「……気持ち……良かった?」

「バカッ……」


キョトンとしたあどけない顔で問われ……行為と表情のギャップに、恥ずかしくなって顔を背ける。


大型犬は、朝方までこの行為をやめることはなかった……。


あたしがぐったりとなったのは、言うまでもない。
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