地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
閻魔大王から大型犬になる──。

大変だったけど、新しい一面が見られて、ちょっと嬉しかった。

あんなにべったりで、甘える陸って……そうそう見れないし?


「陸カワイかったなぁ……」

「はァ?」

「……エッチはダメだけど、ちゅーくらいなら……あたしからしてあげる」


そう言って、ベッドに腰掛けてる陸の膝に乗ってまたがり……腕を首に回してキスをした。

あたしも、大胆になったもんだ。

高校の時に比べたら……エロくなったよね。

すべて……陸のせいだけど。



そうして……迎えた水曜日。

午前中の講義が始まる5分前に、あたしが座っていた席の隣に、誰かが腰を下ろす。

それは……もちろん陸本人で。

教室中の誰もが、あたし達に注目している中───……。


「はよ」

ちゅっと一瞬だけ、キスされた。


女子学生の皆さんが、教室が揺れ動くくらいの悲鳴を上げたのは……言うまでもない。


この日、一気に大学内外へあたし達が『付き合ってる』ということが広まった。
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