地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
今、カフェテリア内で会長達とお茶してるんだけど、陸は超ご機嫌……。


「滝本くんの彼女が、杏樹だったら、さすがに誰も文句言えないわよねぇ?」

「そりゃそうだろ」

零ちゃんの呟きに、会長が頷いてる。

あたしには、よく聞こえなかった。


「……蓮達さ、そろそろ講義始まるんじゃねーの?」

「あ、ホントだ」

「ヤベッ……」


陸の声に、腕時計を見て焦り出すふたり。

さっさと荷物を持つと、カフェテリアを出て行く。

テーブルには、あたしと陸だけが残された。


「なぁ……杏」

「ん?」

「場所移動しねぇ?なんか落ち着かねーし」

「……だね」


提案に賛成して、あたし達もカフェテリアをあとにする。

ずっと付き纏う視線から、逃れたかった。
< 201 / 622 >

この作品をシェア

pagetop