地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
高2の時、芸能界でのバイトをした以来だから、最初は慣れなかったけど。


「杏ちゃん、おはよ!今日も頑張ろうね!」


支度をして、休憩室へ戻ると同じくバイトの万里(ばんり)さんが声をかけてくれる。


「おはようございます!」


ニコッと笑って彼女に駆け寄った。


「あ〜!カワイイ!!ホントにお人形さんみたいッ」

「そんなことは一切ありませんから」

「アハハ!相変わらず天然ね?」


豪快に笑った万里さんは、ガシガシとあたしの頭を撫でる。

あーぁ……またボサボサになっちゃった。

万里さんって、毎回あたしの髪をこうするんだよね。


「ば、万里さ〜ん……またボサボサ……」

「ごめんごめん!ちょっと待ってね」


そう言うと、彼女はポケットから、コームを取り出した。
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