地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
そして、数日後のある日。


「杏ちゃん、この料理お願い!」

「はいッ」


午後6時過ぎ……。

お客さんも増えて来て、忙しく働いていた時。


「いらっしゃいませ〜!こんばんは」


お店の入り口から、新しいお客さんが入って来たことを知らせる声が聞こえる。


またお客さん来たんだ。

今日はいつもより多いかも!

さらに忙しくなりそうだな。


クルクルと動き回り、注文された料理を運ぶ。


「杏樹ちゃ〜ん、今日もべっぴんさんだね!いやぁ〜、うちのバカ息子のお嫁さんになってほしいくらいだ」

「そんなっ、ありがとうございます。あたしなんて、息子さんに釣り合うほど……」


常連のおじさんからのお世辞に、ニコッと笑って返した。


「い〜や。君なら、女房も大賛成だよ。私の家では、君の話ばかりしているんだ」


ガハハと豪快に笑う常連さんに、ちょっと嬉しくなる。
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