地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
5分後───。


「杏ちゃん、杏ちゃん!」

「はい?」


万里さんに、呼び止められる。

もう注文は取ってきたらしい。


彼女の顔を見ると、超興奮気味に見えた。


「カッコイイなんてもんじゃないよ!あれはヤバイ!!芸能人かと思ったわ……」

「は?」

「大部屋のお客さんたちよ!」


突然のためよくわからないという顔をしたら、万里さんが説明してくれる。

まぁ彼らは……カッコよかったらしいです。

それに、合コンではなかったようで……フツーにご飯を食べに来たんだとさ。


フ〜ンと興味ない感じで彼女からの報告を聞いていたら。

「……ホント彼氏一途なのね」

ボソッと呟かれた。

ちょっと恥ずかしくなる。

ストレートで言われたから、余計にね……。

「はい」と照れながら返した。



30分後───。

大部屋のお客さんたちが注文した料理が出来上がり、数が多いので……万里さんとふたりで運ぶ。


「失礼いたします」


そう言って、彼女が部屋の扉を開けた瞬間───……本気で驚いた。
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