地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
アイツは、キャッキャッと嬉しそうに、店の服を見て行く。

楽しそうだからいっか。

久々に出掛けて来たんだしな。


ぼーっと杏を見つめていたら、あることを思い出した。

近々……“アレ”もあるし、アイツの服買うか。

つーか、俺の給料というバイト代も使わねーと。

貯まり過ぎてヤバイ。


そう考えて、キラキラした店の中に入る。

バッチリ化粧をした女性店員に、近付いた。

「すみません」

「は、はいっ」

見た目は、20代前半。

俺を見た瞬間に、顔を赤く染める。


「アイツに似合う服を全身一式で数着選んで下さい」

杏を指差しながら、ニコッと微笑みかけると、彼女の表情がパッと明るくなった。

仕事が来て嬉しいらしい。

「少々お待ち下さい」

笑顔を向けると、杏を見て……服を選びに行く。
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