地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
10分後───。

「キャアー!!お客様、似合いすぎですッ」

店内に、女性店員たちの悲鳴が響き渡る。


「……そんなことないです」


ポツリと、試着室にいる杏が呟いた。


「すっごくお似合いですよね!?」

否定するように、店員が俺に聞いてくる。

「いーじゃん、似合ってるし」

ニッと笑って、同意の言葉を返した。


ヤバイ。マジでカワイイ。

だが、スカートの丈が短いのが……気になる。

胸元も開いてるし……谷間がチラチラと見えた。


カワイイし、似合ってるけど……“アレ”にはダメだ。

見たヤツ全員が、鼻血出すだろうし……。


「ま、いいか」

また出掛ける時に、着せたらいい。


「それら決まりな。支払いしますね」

「えぇ!?」


俺が金を出すことに、かなり驚いていたが、さっさと支払いを済ませて……店を出た。
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