地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
30分後───。


「……杏」

「……」

「杏ちゃん」

「……」

完璧無視だな……。

名前を呼んでみても、一切俺を見ない。

手は繋いでいるが───……逆方向に顔を向けていた。


ハァァァ……。

ちっと、イジメすぎたか?

口を利いてもくれねーし。

「杏?」

「……」

ムリだ。

本気で怒らせたかもしんねぇ。


いや、あれは杏が悪いだろ!


──「ダメッ……やぁん……」


真っ赤で、めちゃくちゃエロい顔をされ……弱いところを攻めてやると。


──「あぁっ……りっ……待ってッ……やッ……」


さくらんぼ色の唇から、甘い声が止まらなかった。

その姿と声に煽られて……杏の限界ギリギリまでイジメたんだよな。
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