地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
ポンポンと、優しく頭を撫でられる。

……。

陸の腕の中で、ぐるぐると考えてみた。

怒ってる?怒ってない?

撫でてくれるってことは、もう怖い目はしてない?


「……どっち?」


キュッと、ヤツの服を右手で握って……顔を胸から上げる。


あ。

閻魔大王の表情じゃない……。


見えた陸は、呆れ返っているというか……おかしくて笑っているというか……。

複雑な顔をしていた。


「ここ出るぞ」

「うん……」

服を握っていたあたしの右手を掴むと、ショップの外へと引っ張っられる。

終始無言。

会話もなく歩いていたら……。

そして、またさっき来た階段へと連れて来られた。


「りっ……」

──グイッ……!


ひゃあッ……。

名前を呼ぼうとしたら、手を引かれて……再び、ヤツの腕の中へと引き寄せられる。
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