地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
少し腰を屈めた陸。


――カタンッ……

教室の入口の扉に、あたしの背中を押し付ける。

目の前には、微妙な茶髪でサラサラな陸の頭。


甘えたいのかなぁ……?

疲れが溜まってる?

仕事忙しいのかも……。


相変わらず、あたしの背中と腰辺りに、腕が回されてた。

スリスリと顔を胸に押し付けられる。


甘えん坊の陸くんだ。



とりあえず……頭を撫でてやった。

さらにギューっと抱き着かれる。


……嬉しいみたい。



「何かあった?」

頭を撫でながら、問い掛けた。


陸が自ら甘えてくるなんて、かなり珍しいもん。

何かあったことは、違いない。


一定のリズムで、撫でつづけていると。



「……俺のこと……好き?」


今度は、あたしが問い掛けられた。
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