地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
ーービリッ……

ダンボールに貼られたガムテープをはがしていく。


ーーカパッ……


箱のふたを開けた瞬間、杏の目が見開かれた。


「えっ?これっ……」

「気に入った?」

「え?え?だってこれっ……」


目の前にあることが信じられないらしくって、口をパクパクとさせている。

金魚……だな。


「気に入ったか、気に入らなかったか。どっち?いやなら返品するけど?」


ニッと笑って、ソファーから立ち上がると、彼女に近づいた。


「そ、そんなことっ!」


否定するように、フルフルと顔を横に振る。

ダンボールから、中に入っていたものを取り出すと、杏は嬉しそうに抱きしめた。

どうやら気に入ったようだ。


“閻魔大王のぬいぐるみ”を。







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