地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
聞かれて……まず思ったのは。

何言ってるんだこの人……という疑問。


「なぁ……好きか?」

あたしの胸から顔を上げて、上目使いで見つめられた。

いつもの変態閻魔大王ではなく……繭ちゃん並にかわいい子供みたいだ。

体は、デカイけどね。


フフッとちょっと微笑む。

「杏?」

「ん?」

すると、陸の大きな手があたしの頬を撫でた。

その目は、子犬のようで……可愛すぎる。


「りー……かわいい……」

頬に置かれた手に、自分の手を重ねた。


こんなに甘えん坊の陸くんをキライなわけないでしょ?

閻魔大王でも、好きだし。


「……好きに決まってるじゃん」


クスッと小さく笑って、陸に口づけた。
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