地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
お風呂上がりに、リビングにいる理由もないので……あたしの部屋へ向かう。

しばらくしてから、陸にドライヤーであたしの髪を乾かしてもらった。

もうこれは、お風呂上がりの恒例になってる。

あたしが終わると、陸の髪も乾かした。

まぁ……フツーには、乾かせないんですけどね。

ヤツにとっては、お触りタイムですから……。

本当に、5分くらいじっと待てないのか!?って思ったけど……口には出来ない。

その後のことが怖いから。


「もう12時だよ……」

「寝るか?」

「うん」

部屋の明かりを消して、ふたりでベッドに入る。

陸の家のベッドに比べたら、あたしのは小さいから……自然と体がくっつくんだ。


「ん」

ヤツが両手を広げて、あたしの体を抱き寄せる。

断る理由もないから、そのまま抱き着いた。


真っ暗な部屋。

隣にある温もりに安心して、陸の胸に額を付ける。

規則正しい心音が聞こえてきた。
< 258 / 622 >

この作品をシェア

pagetop