地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
そうして、約束の金曜日が来た。

参加メンバーは、会長、零ちゃん、柚莉、相澤くん、ありさちゃんに西国くん。

それに、陸とあたしの8人。

大人数だからと、金曜日の前日から食事の下ごしらえは始めて……当日は、温めたり、焼いたりとするだけでいいようにした。


待ち合わせは、あたしたちT大の正門。

午後の授業を終えて、帰る支度を始めた時だった。


「陸、杏樹。悠たち、もう正門に着いたって」


あたしたちがいた教室の中に、会長が入ってきてそう告げる。


その途端。


「キャアアアアア~~!法学部の蓮様よぉ~~!」


突如現れた会長に、大勢の女子学生が歓喜の悲鳴を上げた。


「うっさい……」

隣にいた陸も、周りのうるささに耳を思わず塞いでいる。

ましてや、女嫌いの会長は……八岐大蛇の形相で、彼女たちを睨みつけていました。


「陸、早く行こーぜ」

「あぁ」


どうにか女子生徒たちに囲まれないように、ふたりは早く教室から退散しようとする。


「杏樹もちゃんとついて来いよ」

「あ、はい……」


ーーコクンッ

小さく頷いて、教室の入り口へと歩き出す陸たちを追いかけようとした。


のだがーーー……。


「杏樹ちゃん!」


ーーグイッ……!


「ひゃあ!?」

後方から伸びてきた手に、腕を掴まれる。


だ、誰?


びっくりして、後ろを振り向いた。

そこにいたのはーーー……。






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