地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
連れてきた全員をリビングの方へ通す。

適当に座ってもらって、ひとまずコーヒーを入れることにした。

パタパタ小走りでキッチンに向かい、準備をする。

コーヒーができるまでに、お菓子の用意をした。


今は、ちょうど4時過ぎ。

夕飯の時間にはちょっと早いよね?

もう少ししてから作ろうかな……。


昨夜、焼いたガトーショコラを冷蔵庫から取り出して、人数分に切り分ける。


「杏樹、手伝うよ」

「ありがと、じゃあこれ運んでくれる?」

柚莉が、ニコッと微笑んで快く引き受けてくれた。


次に、コーヒーが飲めないあたしの分として、紅茶を入れる準備をする。

橘くんは……まぁ、コーヒーでいいよね。

飲めなくても、知らないや。好みとか知らないもんね。


彼を除くと、このリビングにいるメンバーの中でコーヒーが飲めないのは、あたしだけだったりする。


あ、繭ちゃんは飲めないんだけどね。

「てことは、ジュースも準備しなきゃ……」

繭ちゃん用のオレンジジュースを冷蔵庫から取り出した。



5分ほどで、すべてが終わり、リビングにいるみんなのところへ行く。





しかし……そこは……言いようのない緊張感に包まれていた。
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