地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
えぇぇぇえ?どーいうこと?

「り、陸っ……?」

陸の提案の意味を聞き出そうと、話しかける。

すると。

「杏、俺ここにいたらアイツをブッ飛ばしそうなんだわ。イラついてて顔も見たくないし」

そ、そんなに橘くんのこと嫌ってるんですか?

ヤツからの告白(?)に、ただただビックリする。

だ、だから……今までずっと黙ってたとかじゃないよね?陸にしては大人しかったもん。


「繭も、アイツと同じ空間にいるのはイヤなんだろ?」

そう繭ちゃんに陸が問いかけると、コクンと彼女は頷いた。


「だからさ、メシができるまでふたりで遊んどく。いいだろ?」

繭の面倒は見るからと、陸は続ける。


「あーちゃん、りーくんと2階で遊んでてもいい?」

嘆願するような彼女の目を見て、「いいよ」と返した。


そのまま陸が繭ちゃんを連れて、リビングを出ていく。

その姿を不思議そうに見ていた橘くんとみんな。


「ねぇ杏樹ちゃん。あの子は妹?」

まだ答えをもらってなくて、気になっていたのか再び質問された。

う~ん、上手い言い訳を……。

頭をフル回転して、繭ちゃんの説明を考える。

あ!イイコト思いついた!


「あの子ね、あたしの遠い親戚なの」

ニコリと、笑顔を張り付けて返す。

陸でいうと、営業スマイルっていうのかな?

「えっ……そ、そうなんだ。でも、なんで杏樹ちゃんの家にいるの?」

なぜか顔を赤くして、橘くんがまた聞いてきた。

よし来た!

そう思って、また笑顔を張り付けて返す。


「あの子の両親が海外で仕事してるんだ。まだ小さいから、うちに預けられてるんだよ」

「へぇ~そうなんだ」


どーだ!この完璧さ!疑ってないよね!

あたしの予想通り、彼は納得したらしく、それ以上聞いては来ない。



ホッと息をついて、あたしは早めにご飯の支度にかかった。

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