地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
ーーガチャ……

部屋の扉を開ける。

「陸?繭ちゃん?」

中にいるはずのふたりに声をかけた。

だけど---……。

「シーッ」

起きていたのは、陸ひとりで。

キレイな人差し指を口元に当てて、あたしに静かにするように促す。

「寝てんだよ」

そう言って、あたしのベッドに寝ている繭ちゃんを指差した。

陸は、あたしのベッドに背中を預けていて、そばにあった本を読んでいたみたい。

部屋の中に入り、陸のそばに腰を下ろす。


「繭ちゃん寝ちゃったんだ?」

「ん。ここに来てからすぐな」

ベッドに両肘をついて、彼女の寝顔を眺めた。

カワイイ……。本当に、繭ちゃんって妖怪とは思えないや。

1階では橘くんのことで、色々とあってるから癒しだなぁ~。

なんて、呑気に考えていたらーーー……。

「杏……」

ーーフワッ……

え?

「陸?」

突然、後ろから抱きしめられる。

「どうしたの?」

ビックリしたけど、ゆっくりと振り返った。

なんか、嬉しそうなんですけど?

「ん~……。ちょっとくらいいいよな?」

はい……?

ポカンとした瞬間ーーー……。

「んっ……!」

優しく口を塞がれる。

「え?ちょっ……!」

隣に、繭ちゃんが寝てるんですけど!

1階には、みんながいるんですけど!

反論しようとしても、何度も陸にキスで阻止されてできない。

「杏?イチャイチャしよっか?」

「へっ?……あっ!」

そう言ったと思ったら、ふいに陸の手が服の中に入ってきた。
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