地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
目の前にいる人たちは、平均しても身長が175はありそう。

あたしがぶつかった圭一(?)っていう人は、会長みたいに黒髪で、あまりしゃべらなそう。

なんか、起きてはいるんだろうけど、眠たそうに伏せ目がちだ。


そして、雷(?)と呼ばれた人は、赤髪で両耳には3個ずつのピアス。そして、あたしを睨んでいます。

目つきがキツイって感じかな。


その雷っていう人をたしなめた人は、雰囲気がお兄ちゃん系。

暗めの茶髪に、フレームなしの眼鏡をかけている。


その3人のちょっと後ろにいるのは、オレンジが入った茶髪で短髪の人と、柚莉みたいに栗色のサラサラヘアーの人。


短髪の人は、なんか……あたしを物珍しそうに見てるような気がする。

好奇心って感じで。


栗色の人は、5人の中で1番背が低いかも。170あるかないか。

見た目が、陸の秘書の北原さんに似てる。

というか、そこらにいる女の子よりかわいい顔をしてる。女装させたら、右に出る人っていないんじゃない?ってくらいだ。

サラサラの髪は、毎日トリートメントでもしているんですか?って聞きたい。



「君、どうしてここにいるの? ファンの子?」

5人の顔をじーっと見ていたら、メガネの彼に問いかけられた。

「へ? ……あぁぁぁぁあ!」

一瞬、キョトンとなったけど、自分の目的を思い出して大声を上げる。

その途端。

「静かにしろよ」

赤髪の彼から、ギロリと睨まれた。

慌てて、自分の口を手で覆う。

この人怖いけど……ご立腹の閻魔大王と八岐大蛇に比べたらかわいいもんだ。


「す、すみません」

一応謝り、もう彼らしかあたしの目的を果たしてくれそうな人もいないので続けて問いかけた。


「あのっ! あたしこの建物から出たいんです。エレベーターってどこにありますか?」

メガネをかけた彼に教えてくれるように頼む。

あたしは一刻も早く、ここから出て……家に帰りたい。

時間的に、もうそろそろ術の効力が切れると思うんだ。

陸たちが起きちゃう!!


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