地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
その声は、さっきまであたしを見下ろしていた八岐大蛇じゃない。
八岐大蛇なんかより、はるかに怖い存在。
ヤツは、あたしの首根っこを掴み、自分の方に顔を向けさせる。
「ひっ……!」
人間って、こんな表情ができるんだと思った。
というか、目の前にいる人が恐ろしすぎて声も出せない。
「ん? お前は俺から逃げられるとでも思ったのか?」
「い、いえっ……」
こ、怖いよ!
――フルフル
顔を横に振って、否定する。
「杏樹! 何回俺に注意されれば気が済むんだ! 死にたいのか!?」
――ビクッ
あまりに大きな声で怒鳴られるものだから、怖くなって体が震えだした。
少し離れたところにいる5人組も、ヤツの登場に驚いている。
というか、畏れているかもしれない。
そ、そんなに怒らなくても……いいじゃん。
そうあたしが口をモゴモゴとさせていると。
「あぁ? 何か言いたい? この俺に口答えするわけねーよな?」
憤怒の形相で、ギロリと睨みつけられる。
え、閻魔大王だ。大悪魔だ。
「だってぇ~……」
あたしが言い訳まがいの言葉を口にしようとした瞬間。
「だっても、クソもねぇ!」
――ビクッ!!
さらに怒鳴られて、涙が出そうになった。
ここまで怒られたのは、久しぶりだよ。
初めてかもしれない。
「戻るぞ、時間はねーんだから」
あまりに恐ろしい形相の陸には、何も反抗とかできなくて。
「はい……」
大人しく肩に担がれるしかなかった。
八岐大蛇なんかより、はるかに怖い存在。
ヤツは、あたしの首根っこを掴み、自分の方に顔を向けさせる。
「ひっ……!」
人間って、こんな表情ができるんだと思った。
というか、目の前にいる人が恐ろしすぎて声も出せない。
「ん? お前は俺から逃げられるとでも思ったのか?」
「い、いえっ……」
こ、怖いよ!
――フルフル
顔を横に振って、否定する。
「杏樹! 何回俺に注意されれば気が済むんだ! 死にたいのか!?」
――ビクッ
あまりに大きな声で怒鳴られるものだから、怖くなって体が震えだした。
少し離れたところにいる5人組も、ヤツの登場に驚いている。
というか、畏れているかもしれない。
そ、そんなに怒らなくても……いいじゃん。
そうあたしが口をモゴモゴとさせていると。
「あぁ? 何か言いたい? この俺に口答えするわけねーよな?」
憤怒の形相で、ギロリと睨みつけられる。
え、閻魔大王だ。大悪魔だ。
「だってぇ~……」
あたしが言い訳まがいの言葉を口にしようとした瞬間。
「だっても、クソもねぇ!」
――ビクッ!!
さらに怒鳴られて、涙が出そうになった。
ここまで怒られたのは、久しぶりだよ。
初めてかもしれない。
「戻るぞ、時間はねーんだから」
あまりに恐ろしい形相の陸には、何も反抗とかできなくて。
「はい……」
大人しく肩に担がれるしかなかった。