地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
――ドンッ

そんな効果音とともに、スモークの焚かれた中から出てきたのは。


「あっ……あぁ!!」

さっきまで、あたしの頭の中にいた人たち。


「杏樹っ!!」

スタジオ内に入ってきたアイドルに、柚莉もまたもや興奮し始める。

そして次の瞬間。

「「ぶ……blossomだ!!」」

彼女とふたりハモッて、声を上げた。


そう。

ふた組目のアイドルとして入ってきたのは、国民的アイドルのblossom。

それも……。


「柚莉さん……か、神のメンバーだよ!!」

「うん!!!!」

50人近くいるグループ内でも、トップ6の人気メンバーばかりだった。


大好きなアイドルが近くにいるので、テンションが上がる。

さっき、junkieに対して興奮気味になった柚莉さんに呆れたけど、自分も大して変わらないなと思った。


新曲の衣装に身を包み、それはもう輝いている。


「実那ちゃーん!!」

客席から歓声が聞こえる。

お客さんたちも、blossomの登場にすごく嬉しそうだ。


先ほど、柚莉にjunkie講座を受けている間に、blossomとは別のお笑い芸人チームの人たちと、タレントチームが登場していたようで。

かわいいblossomに、男性の芸能人はデレデレしていた。

いや、デレデレはあたしもかも。

もう……本当にかわいい。

どうやったら、あんなにかわいくなれるんだろうか。

ただかわいいだけじゃなくて、歌唱力も抜群で、ダンスもキレがあって全員で踊ると見とれてしまうほどの腕前。

おまけに、スタイルもいいし。

パーフェクトな彼女たちは、日本中の女の子たちの憧れだ。


そんなblossomから来た人気トップ6のメンバーと言うのが……。

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