地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
一旦離れてもらい、空き教室を出る。

陸には先に家へ帰ってもらって、あたしは繭ちゃんにケーキバイキング中止のことを謝って自宅まで送り届けた。


そして……今は陸の部屋にいる。

大きなコーナーソファーにあたしが座って、陸にひざ枕をしてあげてるんだ。


「お昼ご飯作ろうか?」

「……いらない」

柔らかい髪を撫でながら問い掛けるけど、返事は元気がない。

顔に腕を乗っけて、表情が見えない。



「どうしたの?」

「……」

ただの不安なのか。

体調不良なのか。

わかんないよ……。



膝にいる陸を見つめて……しばらくした頃。



「杏はさ……あの男より、俺の方が好き?」

「へ?」

ふと、今度はあたしが問い掛けられた。
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