地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
「杏樹、どこ行ってたのよ」
零ちゃんから指摘されるけど、笑ってごまかした。
そうだ、陸や柚莉、会長はともかく。
零ちゃんや西国くんの前で、あたしは術を使ったことがないよね。
う~ん、そう考えたら会長も微妙になるなぁ。
引かれたりしないだろうか……。
確か、素性を話した時にちょっとだけ式を動かして見せたらしいけど。
今回暴れるとなったら、そんなの比じゃないし。
それから……怪我する率も高くなる。
どうか、全員が避難してから、奴らが暴れますように!!
そう願った瞬間。
「「「キャアアアア!!」」」
大きな悲鳴があたしの耳を貫いた。
どうやら、願いは叶わなかったらしくて。
あたし達から少し離れたところで避難までの待機をしていたblossomのメンバーが、全員倒れていた。
悲鳴を上げたのは、タレントチームの女性。
「おいっ! どうしたんだ!?」
近くにいたjunkieのメンバーたちが彼女たちに駆け寄って体を揺さぶる。
彼らの声にも反応しないblossomのメンバー。
なんで倒れたんだろう?
単に、恐怖で気を失っただけ?
彼女たちの様子を見て考える。
「あ、杏樹~! これってヤバくない!?」
零ちゃんが西国くんにくっついたまま言った。