地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
「うん、かもね」
彼女たちの様子を見ながら、周囲を見る。
「かもねって~!! 大丈夫なの!?」
こんなことを経験したことのない零ちゃんは、早くも涙目。
「神崎さん……」
彼女の隣に居る西国くんも、不安な表情だ。
「みんなには指一本ケガさせないから、大丈夫」
これ以上怖いと思わないように、ニッコリと笑みを浮かべた。
すると。
――ビュッ!!
ものすごい突風が、スタジオ内を襲う。
「ちょっ!?」
思わず目元を腕で覆った。
これは、あたしだけじゃなく、周りにいたみんなも。
突風は、まるで台風みたい。
その中で聞こえた声。
「なんだこれっ……いたっ!」
誰かがケガをしたというようだった。
風が止み、目を開けるとそこは……血の海だった。