地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
ホテル・レガリア。
滝本グループが運営するなかでも、最高級クラスのホテルだ。
著名人たちのパーティーが良く行われている。
「そこでいい。支配人に連絡しろ」
「はいっ!」
ケータイで電話をする北原を放っておき、杏樹を車に乗せた。
すると、これまでの俺たちのやり取りを見ていたjunkieメンバーが話しかけてくる。
「君って、その年で社長なの?」
メガネをかけたリーダーがそう聞いてきた。
「レガリアって、俺らでも滅多に行けねーのに……」
オレンジ頭の……旭か。
そいつが呟く。
黒髪のヤツは黙っていて。
だが……そんなヤツらの中で、俺に爆弾を落としたヤツがいた。
「しっかし……今日は良いヤツと知り合えてうれしかったよ」
「は?」
そう話し出すのは、雷だ。
怪訝さで、顔をしかめる。
どういうことだよ。
「アイツ、医者よりも早く治療できんだろ? な、広人!! これから先、俺らがケガしたらソイツに頼んで治してもらおうぜ! そしたら、いくらでもムチャできっし、たとえケガしてもコイツがいるから一発で大丈夫だよな?」
ヘラヘラとした口調の雷に、怒りが爆発した。