地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー

ホテル・レガリア。


滝本グループが運営するなかでも、最高級クラスのホテルだ。

著名人たちのパーティーが良く行われている。



「そこでいい。支配人に連絡しろ」

「はいっ!」


ケータイで電話をする北原を放っておき、杏樹を車に乗せた。


すると、これまでの俺たちのやり取りを見ていたjunkieメンバーが話しかけてくる。


「君って、その年で社長なの?」


メガネをかけたリーダーがそう聞いてきた。


「レガリアって、俺らでも滅多に行けねーのに……」


オレンジ頭の……旭か。


そいつが呟く。

黒髪のヤツは黙っていて。



だが……そんなヤツらの中で、俺に爆弾を落としたヤツがいた。


「しっかし……今日は良いヤツと知り合えてうれしかったよ」


「は?」



そう話し出すのは、雷だ。

怪訝さで、顔をしかめる。


どういうことだよ。



「アイツ、医者よりも早く治療できんだろ? な、広人!! これから先、俺らがケガしたらソイツに頼んで治してもらおうぜ! そしたら、いくらでもムチャできっし、たとえケガしてもコイツがいるから一発で大丈夫だよな?」



ヘラヘラとした口調の雷に、怒りが爆発した。



< 368 / 622 >

この作品をシェア

pagetop