地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
間違ったことは言ってない。
コイツは、意識なしの危ない体だ。
本人は寝てればいいと言うが、以前。
杏のじいちゃんにこっそりと、治癒の術について聞いたことがある。
『普通の術に比べて、身体の疲労が激しいのじゃ。一気に使い過ぎると、体を壊す』と言われた。
『酷い時は、命にかかわることもある』とも。
それだけ代償を伴う術だから、生半可の術者には扱えないらしく。
一族の中でも霊力が桁外れな、杏とじいちゃんしか体得していないという。
それがあるから、さっきは怒鳴ってやめさせようとしたんだ。
でも、杏は自分で決めたら曲げねーから……ヤツらに力を貸すことについて堪えたのに。
そんな杏を、普通の病院みたいに考えやがって。
「今回は許してやる、だが。今度またそんな口利いたら……お前ら業界から1日で消してやる」
――ドンッ
至近距離で睨んだままそう告げると、掴んでいた胸ぐらを離し、ヤツを壁にぶつけた。
「いって……」
雷がぶつかった背中の痛みに顔をしかめる。
「しゃ、社長!」
「ホテルとれたか」
Junkieのヤツらに背を向け、車に乗り込んだ。
「は、はいっ!!」
「なら行くぞ」
返事をした北原が後部座席のドアを閉め、助席に乗り込む。
呆然とするヤツらを置いて、車はゆっくりと滑るように走り出した―――――。
コイツは、意識なしの危ない体だ。
本人は寝てればいいと言うが、以前。
杏のじいちゃんにこっそりと、治癒の術について聞いたことがある。
『普通の術に比べて、身体の疲労が激しいのじゃ。一気に使い過ぎると、体を壊す』と言われた。
『酷い時は、命にかかわることもある』とも。
それだけ代償を伴う術だから、生半可の術者には扱えないらしく。
一族の中でも霊力が桁外れな、杏とじいちゃんしか体得していないという。
それがあるから、さっきは怒鳴ってやめさせようとしたんだ。
でも、杏は自分で決めたら曲げねーから……ヤツらに力を貸すことについて堪えたのに。
そんな杏を、普通の病院みたいに考えやがって。
「今回は許してやる、だが。今度またそんな口利いたら……お前ら業界から1日で消してやる」
――ドンッ
至近距離で睨んだままそう告げると、掴んでいた胸ぐらを離し、ヤツを壁にぶつけた。
「いって……」
雷がぶつかった背中の痛みに顔をしかめる。
「しゃ、社長!」
「ホテルとれたか」
Junkieのヤツらに背を向け、車に乗り込んだ。
「は、はいっ!!」
「なら行くぞ」
返事をした北原が後部座席のドアを閉め、助席に乗り込む。
呆然とするヤツらを置いて、車はゆっくりと滑るように走り出した―――――。