地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
†止まらない被害
***************
「あの、今夜もありがとうございました!」
若い……人気アイドルの女がひとりの男に頭を下げる。
だが、男の方は黙ったまま……何も言わない。
仏頂面で、ジーンズのポケットに両手を突っ込んだままだった。
深夜、高層マンションのエントランス前。
自宅まで送ってもらったらしい女が、男に礼を述べている。
エントランスからの差し込む明かりで、男女の顔が見えた。
女の方は、今を時めく……BKN48のメンバー。
男の方は……黒髪でかなりのイケメン。
そして、今晩のターゲット。
「あのっ……明日もいいですか?」
女が、男の顔色をうかがいながら、問いかける。
――ギロリ
効果音をつけるとしたら、これしかないと思うほど、男は、女を睨みつけた。
「……調子に乗るな」
「ご、ごめんなさいっ……早く上達したくて……」
人気アイドルに冷たい視線を送る男。
その視線に女は身を縮こませる。
本来ならば、その女は、日本中の老若男女を虜にしていて、彼女に頼まれれば、断る人間はいないのだが。
あいにく、男は大の女嫌いだった。
相手が人気アイドルだろうが、何だろうが、自分が認めたヤツでないと、まともに話すことはない。
そのふたりから、少し離れた場所にて様子をうかがっている全身黒づくめのヤツがいた。
息を殺して、男がひとりになるのを待つ。
「あの、今夜もありがとうございました!」
若い……人気アイドルの女がひとりの男に頭を下げる。
だが、男の方は黙ったまま……何も言わない。
仏頂面で、ジーンズのポケットに両手を突っ込んだままだった。
深夜、高層マンションのエントランス前。
自宅まで送ってもらったらしい女が、男に礼を述べている。
エントランスからの差し込む明かりで、男女の顔が見えた。
女の方は、今を時めく……BKN48のメンバー。
男の方は……黒髪でかなりのイケメン。
そして、今晩のターゲット。
「あのっ……明日もいいですか?」
女が、男の顔色をうかがいながら、問いかける。
――ギロリ
効果音をつけるとしたら、これしかないと思うほど、男は、女を睨みつけた。
「……調子に乗るな」
「ご、ごめんなさいっ……早く上達したくて……」
人気アイドルに冷たい視線を送る男。
その視線に女は身を縮こませる。
本来ならば、その女は、日本中の老若男女を虜にしていて、彼女に頼まれれば、断る人間はいないのだが。
あいにく、男は大の女嫌いだった。
相手が人気アイドルだろうが、何だろうが、自分が認めたヤツでないと、まともに話すことはない。
そのふたりから、少し離れた場所にて様子をうかがっている全身黒づくめのヤツがいた。
息を殺して、男がひとりになるのを待つ。