地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
†ばあちゃん
懐かしい夢を見た。
「杏樹ちゃんは……私に似ちゃったのね」
昔々……ばあちゃんに言われた言葉。
たぶん、3歳くらいの時。
目の前には、着物姿のばあちゃんがいる。
ばあちゃんは、孫のあたしから見ても、キレイな人で。
50代だったのに、年齢詐欺れるんじゃないかなってくらい若い。
霊力も、強かったんだ。
「ばあちゃんに似てるの? どこが?」
あたしはそう言われたことが不思議で、問いかける。
この時くらいから、自覚はしてた。
自分は、普通の人とは違うって……。
でも、ばあちゃんは……普通の人だったの。
霊力があること以外は、一般人と変わらなかった。
だから、彼女と似てるって言われたことが、理解できなかった。
「そうねぇ……。杏樹ちゃんには、話しましょうか。実はね……渉も知らないことだけれど……」
渉とは、あたしのお父さんの名前。
そう言って、柔らかく微笑んだばあちゃんは、あたしのお父さんや叔父さんたちも知らない秘密を離してくれた―――。