地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
ある日の午後……。

午前中で大学が終わり、久々に繭を連れて3人で俺の部屋で過ごしていた。


杏は繭と遊び、俺はその光景を眺める。


俺たちに子供ができたら……こんな感じかと思いながら。


遊び疲れた繭が、杏の腕に抱かれて寝たんだ。

多少悔しくなった。

繭をベッドに寝かせて、ようやくふたりになったと思い……杏を抱き寄せる。


「どうしたの?」

「ん……」

話すなら今か……。


ファンクラブが出来たことを考えて、俺たちのことを周りに言おうと告げた。


今はまだ、お互いに恋人がいるってことさえも知られてない。

杏の身を守るためと、俺がそろそろ他の男どもに触れられるのが、我慢出来ねぇから。


だが、返って来た答えは……。


「え――……イヤ」


────拒否の言葉。
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