地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
しばらく、その体勢でいると。
「陸、ごめんね。勝手に術使っちゃって……」
俺の胸に顔をうずめたまま、ポツリと言う。
「あのさ、色々考えても、どっちが正しかったのか、わかんねえ。でも、お前が生きてここにいるから、もういいよ」
あの時の正直な気持ち、俺はどっちも選べなかったから。
杏と蓮たち、どちらを助けるかなんてさ。
だから、杏の判断は、ある意味正しかったんじゃねーかと思う。
結果的に、お前が俺の隣にいるから……もういいとしよう。
「ありがと……」
顔は見えねえけど、その言葉で、杏がホッとした表情になったような気がした。
もう一度、頭を撫でてやると、胸にスリスリと顔を寄せてくる。
その仕草がかわいくて……フッと笑みをこぼした。
それから、適当に病院の売店で昼飯を買い、杏の傍で食った。
だが、杏は1週間寝ていたため、まだ水しか飲めない。
ちびちびと水を口に運んでやると、うれしそうな表情になる。
しかし……。
「抱っこ!」
安静にしてろと医者に言われたのに、杏は暇さえあれば……抱っこをせがんだ。
終いには……俺の胸に体を預けて、そのまま眠るという……。
服を握ったままの杏をベッドに寝かせるのは、困難で。
自然に目を覚ますまで、俺の腕の中にいた。
「陸、ごめんね。勝手に術使っちゃって……」
俺の胸に顔をうずめたまま、ポツリと言う。
「あのさ、色々考えても、どっちが正しかったのか、わかんねえ。でも、お前が生きてここにいるから、もういいよ」
あの時の正直な気持ち、俺はどっちも選べなかったから。
杏と蓮たち、どちらを助けるかなんてさ。
だから、杏の判断は、ある意味正しかったんじゃねーかと思う。
結果的に、お前が俺の隣にいるから……もういいとしよう。
「ありがと……」
顔は見えねえけど、その言葉で、杏がホッとした表情になったような気がした。
もう一度、頭を撫でてやると、胸にスリスリと顔を寄せてくる。
その仕草がかわいくて……フッと笑みをこぼした。
それから、適当に病院の売店で昼飯を買い、杏の傍で食った。
だが、杏は1週間寝ていたため、まだ水しか飲めない。
ちびちびと水を口に運んでやると、うれしそうな表情になる。
しかし……。
「抱っこ!」
安静にしてろと医者に言われたのに、杏は暇さえあれば……抱っこをせがんだ。
終いには……俺の胸に体を預けて、そのまま眠るという……。
服を握ったままの杏をベッドに寝かせるのは、困難で。
自然に目を覚ますまで、俺の腕の中にいた。