地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
†京都版神崎家
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――カーン
金属同士がぶつかり合う音が、とある神社の中から聞こえる。
その音は、澄み切った空気の中を通り抜けた。
時刻は、妖怪や霊が出やすいとされている午後2時過ぎ。
この時間帯、昔の人々は……丑三つ時と言った。
――カーン……
再び、金属音が響く。
「杏樹……杏樹……」
ブツブツと小声で、口元をニヤリと歪めながら、白い死に装束姿の男が神社の神木に、釘を打ち込んだ。
――カーン……
五寸釘と言われる、約15センチほどの長さの釘を、ゆっくりと……。
時間をかけて、木に打っていく。
釘と木の間には……。
ひとつの藁人形があった――――。
藁人形の頭部に目がけて、男は釘を打ち込んでいった。
「これで、杏樹は俺のモノ……」
ニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべながら、男はこれからのことを考えて、頬が緩むのを抑えられない。
釘1本を打ち込み終わると、神社を出る。
「な~んだ……呪詛かけるなんて、簡単じゃねーか」
意気揚々とする男。
ヤツは、自分が憎いと思う人物に対して、呪詛をかけ始めていた。
藁人形を使っての呪詛は、7日間で成就する。
今晩は、その1日目だった。
呪詛に関する本を読み、道具を集め、いざ始めてみると、思っていたより緊張もしない。
――カーン
金属同士がぶつかり合う音が、とある神社の中から聞こえる。
その音は、澄み切った空気の中を通り抜けた。
時刻は、妖怪や霊が出やすいとされている午後2時過ぎ。
この時間帯、昔の人々は……丑三つ時と言った。
――カーン……
再び、金属音が響く。
「杏樹……杏樹……」
ブツブツと小声で、口元をニヤリと歪めながら、白い死に装束姿の男が神社の神木に、釘を打ち込んだ。
――カーン……
五寸釘と言われる、約15センチほどの長さの釘を、ゆっくりと……。
時間をかけて、木に打っていく。
釘と木の間には……。
ひとつの藁人形があった――――。
藁人形の頭部に目がけて、男は釘を打ち込んでいった。
「これで、杏樹は俺のモノ……」
ニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべながら、男はこれからのことを考えて、頬が緩むのを抑えられない。
釘1本を打ち込み終わると、神社を出る。
「な~んだ……呪詛かけるなんて、簡単じゃねーか」
意気揚々とする男。
ヤツは、自分が憎いと思う人物に対して、呪詛をかけ始めていた。
藁人形を使っての呪詛は、7日間で成就する。
今晩は、その1日目だった。
呪詛に関する本を読み、道具を集め、いざ始めてみると、思っていたより緊張もしない。