地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
そうして、翌朝。

キャリーケースを引き、いざ……ばあちゃんのところへ向かう。

だけど、「絶対に迷うだろーが」と言われて。

陸に無理やり持たされた、駅までの行き方や新幹線への乗り方が書かれたをメモを持って、無事に京都まで着いた。



う~ん、陸のおかげとか思いたくない。

自分で来れたんだもん!


そう思いながら、叔父さんと待ち合わせとした場所に向かう。


でも……。


「あれ? ここじゃなかった??」


もう5回も同じ場所をまわっては、たどり着けない。


うん。やはり、京都まで来れたのは、陸のおかげだったのかもしれませんね。




そんなことを考えつつ、これからどうするかと思案する。

けれど、その次の瞬間。


「杏樹ちゃ~ん」


どこからか、あたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。


キョロキョロと辺りを見渡すと、少し離れた場所からブンブンと手を振ってくる女の子が見える。



暗めのブラウン色のセミロングの髪をなびかせた、あたしと身長は変わらないくらいの子。


その子があたしのいる方に向かって駆け寄ってくる。


見覚えのある姿に、思わず叫んだ。



「あ、早和ちゃんだ!」


そう言ったとの同時くらいに、彼女が目の前にくる。


「久しぶりっ!」


ニコッと笑う早和ちゃんは、前に見た時よりキレイになっていた。


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