地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
早和ちゃんのお母さんで、40代に近いというのに若い。

暗めのブラウン色の髪は、鎖骨に届くか届かないくらいの長さで、顔立ちも整った美人さん。

彼女の容姿が、早和ちゃんに受け継がれている。


「お世話になります」


ペコッと頭を下げると、真菜さんはニッコリと笑って、居間に案内してくれた。


その居間には……。



「久しぶりだな、杏樹ちゃん」


お父さんとよく似た容姿の翠叔父さんがいて。

この人も、40代に入るというのに、まだまだ若々しい。

ウチのお父さんとは、2歳離れている。


「1週間、お願いします」


彼に対して、また頭を下げた。


「そう気を張らなくていいさ。かわいい姪が来てくれて、うれしいよ」


ポンポンと叔父さんに頭を撫でられる。


「ありがとうございます」


顔を上げて、ニコッと微笑んだ。


居間には、叔父さん家族3人がいて、美男美女が並んでいる。

いっつもね、正月に親族一同が集まった時に思うんだけどさ、ウチの家系って……イケメンとか、美人とかいっぱいいるよね。


叔父さんも、昔も今もモテモテって聞いたことがあるし。

真菜さんも、大学ではミスキャンパスになった人。


でも、どうして、あの両親の遺伝子をあたしは受け継がなかったんでしょうか?



地味子だもんねえ……。



そんなことを考えていると。


「杏樹ちゃん、来たのね」



背後から、懐かしい声が聞こえた。


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