地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
優しい温もりの中で、寝返りを打つ。
「……ん……」
閉じていた瞼を持ち上げると、焦点の合わない視界。
へ?
ここどこ?
パチパチと瞬きを繰り返すと、キレイな木目の天井が目に入った。
「うんしょ……」
肘に力を入れて、体を起こし、辺りを見渡す。
暗闇になれたからか、自分がいる場所が理解できた。
「あ……あたしの部屋か」
ここは、ばあちゃんの家での、あたしに与えられた一室で。
畳の上に布団を敷き、あたしは寝ていたようだった。
そうだ、祈祷が終わって、寝ちゃったんだっけ?
「叔父さんたちが運んでくれたのかな?」
祈祷を行っていたのは、神崎家の最奥、北の部屋。
あたしが泊まるように言われたのは、真逆の南の部屋だったから……ここにいるってことは、誰かが寝かせてくれたってことだ。
あたしは祈祷の時に来た着物から、浴衣に着替えさせられていた。
後でお礼言わなきゃ……。
部屋の灯りはすべて消してあり、中に入って来るのは、満月みたいに明るい月の光だけ。
それでも十分部屋の位置関係は見えたので、明るく思えた。
今晩は、月にキレイな夜らしい。
あとで、月の観賞でもしようか、と思った瞬間。
「杏樹ちゃん、起きた?」
部屋の外から、早和ちゃんの声が聞こえる。
「うん」
コクンと頷いて返事をすると、部屋の障子を開けられた。
「もう体いいの? 平気?」
少々慌てた様子で、彼女はあたしの隣に腰を下ろす。
「大丈夫」
そう言うと、早和ちゃんは嬉しそうに微笑んだ。
「心配したよ。丸2日寝てたんだから……」
あれま。
そんなにぐっすりと寝てたんですか……。
「……ん……」
閉じていた瞼を持ち上げると、焦点の合わない視界。
へ?
ここどこ?
パチパチと瞬きを繰り返すと、キレイな木目の天井が目に入った。
「うんしょ……」
肘に力を入れて、体を起こし、辺りを見渡す。
暗闇になれたからか、自分がいる場所が理解できた。
「あ……あたしの部屋か」
ここは、ばあちゃんの家での、あたしに与えられた一室で。
畳の上に布団を敷き、あたしは寝ていたようだった。
そうだ、祈祷が終わって、寝ちゃったんだっけ?
「叔父さんたちが運んでくれたのかな?」
祈祷を行っていたのは、神崎家の最奥、北の部屋。
あたしが泊まるように言われたのは、真逆の南の部屋だったから……ここにいるってことは、誰かが寝かせてくれたってことだ。
あたしは祈祷の時に来た着物から、浴衣に着替えさせられていた。
後でお礼言わなきゃ……。
部屋の灯りはすべて消してあり、中に入って来るのは、満月みたいに明るい月の光だけ。
それでも十分部屋の位置関係は見えたので、明るく思えた。
今晩は、月にキレイな夜らしい。
あとで、月の観賞でもしようか、と思った瞬間。
「杏樹ちゃん、起きた?」
部屋の外から、早和ちゃんの声が聞こえる。
「うん」
コクンと頷いて返事をすると、部屋の障子を開けられた。
「もう体いいの? 平気?」
少々慌てた様子で、彼女はあたしの隣に腰を下ろす。
「大丈夫」
そう言うと、早和ちゃんは嬉しそうに微笑んだ。
「心配したよ。丸2日寝てたんだから……」
あれま。
そんなにぐっすりと寝てたんですか……。